歌について考えたこと。

忙しい日常を送っていると、それだけで日々が過ぎていきます。やらなくっちゃならないことがたくさんあって、それに追われている、これが終わったら次はこれ、その次はこれ、という風につながって、気が付けば一日が終わっている。でも時々ふと何してるんだろうと思う時がある。そんな時、私は好きな人の歌を聞きます。そして自分を取り戻す。日常生活を滞りなくこなそうとする私ではなくて、本当の私。考える私、感じる私、何かを創ろうとする私。そんな私があることを確認して、また明日の日常に戻ることができます。歌は生きていくための糧になる。ただし、それが本物の歌であれば。

 

本物の歌、心の刺激になるもの(音楽ライブに限らず、演劇で映画でも絵画でも文学でも)を求めて、若い頃はよく動きました。もともと演劇だったので、年間100本くらい芝居を見たこともあります。行き当たりばったりに入ったライブハウスで、心を揺さぶるような歌を聞けたこともありました。年とともにそういう動きはなかなかできなくなりましたが、今でも何かを求める気持ちは変わりません。炎の雫でライブをやろうということになった時、何かを伝えたいと本気で思っている人に歌ってもらおうと思いました。本気でなければ人の心には届かない、私はそう思っています。

 

先週神戸から来てくれた松濱正樹さんも、本気でやろうとしている一人です。もともとパワーのある人で熱い歌いざまを見せてくれますが、今回はそこに何かが加わっていました。何か思いの強さのようなものが彼の歌に厚みを持たせているように感じました。彼は「声」に特別な思い入れがあるそうです。歌のニュアンスを表現するのは声の力だと語ってくれました。

 

また、今週ライブをしたやなぎさんも本物の歌を聞かせてくれる人です。その歌は、まっすぐに入ってきて私に問いかけます。彼は日本全国を旅しながら歌うことを日常にしていて、それは私たちが送る日常とはまた別の暮らし方で、その中で彼は何かを得て、時には何かを失って、そういうことすべてが歌になっていく、その様を見つめながら、私は今何をしているのかと考えたりする、そんな特別な時間を過ごすことができます。

 

ライブ・生演奏というのは非日常の時間です。そこは、特別な空気の感じられる特別な場。明日から生きていくための糧になる、そんな場であってほしい。そのためには、演る側は、本気で、真摯であってほしいと思います。炎の雫ではそういうライブをやっていきたいと思っています。(佳)

 

 

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