上映会&ミニコンサート「残されたものは歌を継ぐ」

 一昨日、114日の上映会の報告です。炎の雫では、高円寺時代を含めて34回目の上映会です。

 

映画「カンタ! ティモール」の主人公ともいうべきアレックスが天に召されたのが昨年の119日、あれから1年が経とうとしています。彼の一周忌に捧げるべく、企画した久しぶりの上映会。「残されたものは歌を継ぐ」と題したミニコンサート付きです。

今回の上映会は、初めて事前に予約で15人満席になりました。一週間も前の予約受付終了は前代未聞です。これもアレックスの力、彼が天国から後押ししてくれているのじゃないかと感じてしまいました。

当日キャンセルもあったので、結果的には14人の参加、1/3がリピーターの方でした。 

1部は上映会、午後1時半の上映開始でした。この映画、何回見ても、その時々で感じることがあり、心を揺さぶられます。皆さん画面に見入り、それぞれ思うところがあったことと思います。

 

映画の後、並べてあったサウンドトラックCDや南風島渉さんの本、そして炎の雫の東ティモールコーヒーの紹介をし、アレックスが昨年の119日に急逝したこと、奥様や子供たちのために監督の広田奈津子さんが募金で長い支援を呼び掛けていることなどを簡単にお伝えしました。

 

休憩をはさんで、2部はミニコンサート「残されたものは歌を継ぐ」(これは私たちが作った歌“アレックス”の歌詞からとりました)。

出演は共にカンタティモールを複数回見てくれている2人のシンガーと水野です。

トップは金井いずみさん。彼女はスピリチュアル系で、映画を見ている最中ずっとアレックスが来ていると感じていたと言い、アレックスに届け! と強い思いを持って歌ってくれました。彼女の歌声はきっとアレックスに届いたことでしょう。

その後は魅酒健太郎さん。場を和ませてくれるトークを交えながら、渋い歌声を聞かせてくれました。また、自分も何度か見ているけれど見るたびにいろいろ気づかせてくれる映画だからぜひまた見て、と呼び掛けてもくれました。

最後は水野たかし。オリジナルの「祈りの歌」をアレックスに捧げて、その後「モリス・フォウン」(映画の真ん中あたりでアレックスが歌っている曲に日本語の詩を付けました。昨年の12月の追悼の会でも歌わせていただきました。)アレックスの生き様を歌った「アレックス」、最後はみんなで「ヘイ!マルシーラ」を歌いました。健太郎さんといずみさんも前に出てくれ、会場の皆さんも歌ってくれる方、それから私の手話をまねしてくれる方もいて、とてもいい雰囲気で上映会を終わることができました。

終了後、一人の方がCDを下さいと言い、1万円を出して、おつりはアレックスの募金にと言いました。びっくりして、え?8000円ですよ、いいんですかというと、いいんですと。その方の中によほど響くものがあったのでしょう、有難いこととお預かりしました。

 

募金は事務局に送って、アレックスのご遺族に届けられます。監督やご友人が直接持って行ってくれるので、確実にご家族に届くと思います。

 

足かけ5年、この映画を上映し続けてきた中で、たくさんの出会いがあり、いろんなお話を聞かせてもらいました。いつもそんなお話をせていただくのですが、今回はコンサート付きにしたためにその辺は省略、この場を借りて少し書いておきます。

 

広田奈津子監督は、こどもの頃、木とお話する子供だったのですが、宅地開発で森の木が切られてしまったことにショックを受けます。それを癒してくれたのがアメリカ大陸先住民のスピーチがもとになった「父は空、母は大地」という絵本だった、それで大学生の時にアメリカインディアンに会いに行き、そこの長老から、環太平洋に森を殺さない人たちが住んでいるから会いに行くといいと勧められたそうです。その中で東ティモールが独立しようとしていることに興味を持ち、日本がマイナスの関わりをしていたことも知り、せめてお祝いに行こうと独立式典に参加、その会場の片隅で(ステージに乗るのではなく)子ども達に囲まれて歌っているアレックスに出会います。その歌をもう一度聞きたいという思いからこの映画は生まれました。アレックスを訪ねて再び訪れた東ティモールで、その歌の意味を知り、彼の生きてきた道をたどりながら、同時にティモールの独立への歴史をたどっていくことになりました。

 

ですが、この映画は単に独立運動を扱っただけのものではありません。ティモールの自然の美しさ、どこか懐かしさを感じる風景、子どもたちや大人たちの笑顔、人々の気高さ、ルリックと呼ばれる精霊との関わり、あふれる音楽、許すということ、生きるということ、いろんなものがいっぱい詰まっています。だからこそ、何度見ても新しい発見があり、その時その時、こちらの精神状態によって全く違うものが見えてくるのです。彼女は始めは映画を作るというつもりではなく、ただただ記録しようと映像を撮り、それを6年かけて映画にしました。映画館での公開という話もあったそうですが、あえて自主上映でという道を選びました。そして今、6年の歳月を経ても尚、各地で上映され、静かな感動が拡がり続けています。  

 

小さな会場での上映会の良さに、映画が終わった後、話ができることがあります。各地の上映会では、監督や映画にも登場するジャーナリストの南風島渉さん、この映画の上映会を何百回も続けている名古屋のシンガーソングライターの江口晶さんを招いてトークしてもらったり、監督のパートナーであり映画の助監督・音楽監修でもある小向サダムさんのミニコンサートがあったり、観客とシェアし話あったりする企画が行われています。

 

炎の雫では、もともと江口晶さんからのお話で上映会を始めたこともあり、何度も江口さんに来ていただいています。彼の場合は、マルシーラを歌う時に、奥様がフラを踊られます。(私が今手話を付けているのは、江口夫妻の影響、フラダンスは無理だけど手話ならできるということで始めました。)昨年の10月には、南風島さんが千葉まで来て話をしてくれました。その時の打ち上げでの話がきっかけで「モリス・フォウン」ができました。南風島さんのトークの内容について、詳しく知りたい方は、201711月のブログを見て下さい。(外房篇ブログ20156月~1810月の所にあります。)また、私たちが他の場所で何度か監督のお話を聞く機会も何度かあり、上映会の時はその内容をお伝えしたり、できる範囲で質問にお答えしたりしてきました。逆に、ティモールに行ってきた方がその経験を語ってくれたり、インドネシアに住んでいたという方が現地の情勢を話してくれたりしたこともありました。人と人の繋がりを作ってくれる映画でもあります。

 

アレックスがなくなってから、上映会ではアレックスのメッセージカードが配られています。最後にその中の一節を‥

 

『たとえ仲間が10人にしか見えなくて、対するものがあまりに大きく見えても、いのちがよろこぶ仕事には、亡くなった人たちも、生まれてくる人たちも付いている。それは1000どころじゃないんだ、ぜったいに大丈夫だから、恐れずに進んでください』Helder  Alexio Lopez

 

「カンタ!ティモール」の上映会は、ご希望があれば、何人か集まれば、いつでも開催します。お声をかけて下さい。お待ちしています。(2018116日 佳)

 

 

11月4日の上映会に参加した方でアレックスのメッセージカードを受け取っていない方がいらっしゃいましたら、お手数ですがご連絡ください。